1973年発売の楽曲人気ランキングTOP50

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集計比率→RC:CD:DL:ST=3/2:1:1.5:520

集計期間

RCP・CDP→原則、オリコン2023年末の集計　一部2024年集計分も含む

DLP・STP→レコード協会の2024年3月認定まで

YMP→一部の楽曲を除き、基本的には2024年3月中のどこかの日付の再生数をカウント

※オリコンが提供する売上枚数の情報は、1000枚未満の詳細を公表することが禁止されている。この禁止規定に従い、1000枚以下の数字は切り捨てて表示し、見やすさの観点から、その他のポイントも表示を統一している。その関係上、合計が一致しないものもある点に注意してもらいたい。なお、順位は詳細で表示した場合の確定順位である。

・単位は全て(万ポイント)

本ランキングの注意点：後年にヒットした楽曲でも、発売が本年であれば本ランキングにランクインする。逆に、前年までに発売した楽曲であれば、本年にヒットした場合でもランクインしない。

以下が1973年発売の楽曲人気ランキングTOP50である

	曲名	アーティスト	RCP	CDP	DLP	STP	YMP	合計P	発売日
1位	なみだの操	殿さまキングス	296.0	0	0	0	0	296.0	73. 11.05
2位	あなた	小坂明子	247.3	0	0	0	0	247.3	73. 12.21
3位	くちなしの花	渡哲也	134.9	0	0	0	0	134.9	73. 08.21
4位	神田川	南こうせつとかぐや姫	129.8	0	0	0	0	129.8	73. 09.20
5位	恋のダイヤル6700	フィンガー5	125.5	0	0	0	0	125.5	73. 12.05
6位	花街の母	金田たつえ	115.0	0	0	0	0	115.0	73. 06.10
7位	個人授業	フィンガー5	107.2	0	0	0	0	107.2	73. 08.25
8位	危険なふたり	沢田研二	97.5	0	0	0	0	97.5	73. 04.21
9位	なみだ恋	八代亜紀	90.0	0	0	0	0	90.0	73. 02.05
10位	Yesterday Once More	カーペンターズ	88.8	0	0	0	0	88.8	73. 07.10
11位	小さな恋の物語	アグネス・チャン	86.9	0	0	0	0	86.9	73. 10.25
12位	心の旅	チューリップ	77.0	0	0	0	0	77.0	73. 04.20
13位	恋する夏の日	天地真理	75.2	0	0	0	0	75.2	73. 07.01.
14位	わたしの彼は左きき	麻丘めぐみ	74.2	0	0	0	0	74.2	73. 07.05
15位	冬の旅	森進一	73.2	0	0	0	0	73.2	73. 10.10
16位	若葉のささやき	天地真理	72.2	0	0	0	0	72.2	73. 03.21
17位	赤い風船	浅田美代子	72.1	0	0	0	0	72.1	73. 04.21
18位	ちぎれた愛	西城秀樹	71.2	0	0	0	0	71.2	73. 09.05
19位	君の誕生日	ガロ	67.8	0	0	0	0	67.8	73. 05.10
20位	夜空	五木ひろし	66.9	0	0	0	0	66.9	73. 10.20
21位	草原の輝き	アグネス・チャン	66.7	0	0	0	0	66.7	73. 07.25
22位	愛への出発	郷ひろみ	64.4	0	0	0	0	64.4	73. 03.01
23位	心もよう	井上陽水	63.5	0	0	0	0	63.5	73. 09.21
24位	てんとう虫のサンバ	チェリッシュ	59.9	0	0	0	0	59.9	73. 07.05
25位	白いギター	チェリッシュ	59.3	0	0	0	0	59.3	73. 09.25
26位	ふるさと	五木ひろし	58.0	0	0	0	0	58.0	73. 07.15
27位	裸のビーナス	郷ひろみ	57.9	0	0	0	0	57.9	73. 06.21
28位	赤とんぼの唄	あのねのね	54.6	0	0	0	0	54.6	73. 03.10
29位	愛の十字架	西城秀樹	52.7	0	0	0	0	52.7	73. 12.05
30位	魅せられた夜	沢田研二	51.7	0	0	0	0	51.7	73. 11.21
31位	避暑地の恋	チェリッシュ	49.5	0	0	0	0	49.5	73. 04.25
32位	中学三年生	森昌子	49.3	0	0	0	0	49.3	73. 02.05
33位	春のおとずれ	小柳ルミ子	46.8	0	0	0	0	46.8	73. 02.25
34位	他人の関係	金井克子	45.6	0	0	0	0	45.6	73. 03.21
35位	君が美しすぎて	野口五郎	44.9	0	0	0	0	44.9	73. 07.01
36位	色づく街	南沙織	44.3	0	0	0	0	44.3	73. 08.21
37位	モナリザの秘密	郷ひろみ	43.7	0	0	0	0	43.7	73. 12.05
38位	若草の髪かざり	チェリッシュ	43.0	0	0	0	0	43.0	73. 01.15
39位	ロマンス	ガロ	42.1	0	0	0	0	42.1	73. 08.25
40位	コーヒーショップで	あべ静江	41.9	0	0	0	0	41.9	73. 05.25
41位	母に捧げるバラード	海援隊	41.5	0	0	0	0	41.5	73. 12.10
42位	ひとり酒/おまえ	宮史郎とぴんからトリオ	41.4	0	0	0	0	41.4	73. 12.10
43位	傷つく世代	南沙織	40.6	0	0	0	0	40.6	73. 05.01
44位	妖精の詩	アグネス・チャン	40.5	0	0	0	0	40.5	73. 04.10
45位	みずいろの手紙	あべ静江	39.5	0	0	0	0	39.5	73. 09.25
46位	胸いっぱいの悲しみ	沢田研二	38.3	0	0	0	0	38.3	73. 08.10
47位	ジョニイへの伝言	ペドロ&カプリシャス	37.2	0	0	0	0	37.2	73. 03.10
48位	情熱の嵐	西城秀樹	36.9	0	0	0	0	36.9	73. 05.25
49位	女のゆめ	宮史郎とぴんからトリオ	36.7	0	0	0	0	36.7	73. 05.25
50位	空いっぱいの幸せ	天地真理	36.2	0	0	0	0	36.2	73. 10.21

　本年は、ミリオンポイント達成曲が、前年から1曲減って7曲となった。一方、ダブルミリオンポイント達成曲が初めて2曲になった。年間1位は、前年に続きコミックバンドの楽曲が獲得した。GSが完全に縮小していった中で、GS出身の沢田研二がアイドル路線で70年代アイドルブームの軌道に乗り、本年からヒットを連発する。

本年活躍したアーティスト (五十音順)

アグネス・チャン

天地真理

五木ひろし

カーペンターズ

郷ひろみ

西城秀樹

沢田研二

殿さまキングス

フィンガー5

南沙織

宮史郎とぴんからトリオ

八代亜紀

年間TOP50ランクイン曲　PICK UP 解説

2位　小坂明子『あなた』

　当時、高校2年生であった自身が、付き合っていた先輩との別れをストレートに描き、自身で作曲も手掛けた昭和を代表するラブソング。1973年のヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)に出場した際に、本曲を弾き語りで披露してグランプリを獲得した。さらに同年の世界歌謡祭でもグランプリを手にすると、同年末にレコードとしてリリースされた。オリコン集計史上初となる女性が作曲した楽曲のミリオンセラーを達成した。なお、本曲で紅白歌合戦に出場した際には、指揮者である父と出場し、紅白歌合戦初となる親子共演となった。

3位　渡哲也『くちなしの花』

　1965年に俳優デビューし、逝去するまでの半世紀以上、途切れることなく映画やドラマに出演し続けた石原軍団のレジェンド渡哲也の歌手としての代表曲。本曲のプロデューサーが、江田島の旧海軍学校の資料館で紹介されていた遺稿集「くちなしの花」からヒントを得て、花の歌が得意な作詞家に本曲の作詞を依頼した。オリコン週間チャートの最高順位は4位だったものの、ロングヒットを記録し、年間チャートでは1974年の7位にランクインした。なお、自身も石原裕次郎も本曲が大ヒットするとは全く思っていなかったらしい。

4位　南こうせつとかぐや姫『神田川』

　フォークソングの代表格とも言える楽曲。作詞を務めた喜多條忠が、早稲田大学在学中に恋人と同棲していた思い出を歌詞にしており、そのストレートな歌詞は多くの共感を呼んだ。その結果、オリコン週間チャートでは通算7週の1位を獲得し、年間売上は同年6位→翌年41位と推移する大ヒットなった。なお、紅白歌合戦への出場を打診された際に、歌詞のクレパスをクレヨンに変更して歌うように要請されたため、出場を拒否している。なお、本曲が紅白で歌唱されたのは、発売から19年が経過した1992年だった。

6位　金田たつえ『花街の母』

　民謡を唄っていた自身がどうしても演歌を歌いたいという理由で、自身の夫が知人の作詞家・もず唱平に依頼して作詞してもらった楽曲。完成した詞は自身の人生と重なる内容で、この詞に曲をつけてレコーディングするも、演歌を歌うことに猛反対した恩師から支援を拒否されて、レコード会社の協力を得られなかった。結果、発売地区は大阪周辺のみで宣伝費用も雀の涙という状況で、約4年に渡る努力の末、ついに全国発売を果たした。そして、発売から6年経過してついに大ヒットとなり、1979年のオリコン年間売上16位を獲得した。

12位　チューリップ『心の旅』

　デビューからシングルやアルバムを次々に発売するがヒットさせることができずに、次がダメなら地元の福岡に戻るという背水の陣の中で完成した楽曲。メンバーで作詞作曲を担当したリーダー財津和夫が、自身の上京直前の心情を描いた作品。この曲の制作にあたって意識した曲は、汽車の旅という世界観が本曲と同じ、はしだのりひことクライマックス『花嫁』だった。発売から5ヶ月でオリコン週間チャートの1位を2週連続で獲得し、自身唯一の1位獲得曲となって大ヒットした。

14位　麻丘めぐみ『わたしの彼は左きき』

　前年にデビュー曲の『芽ばえ』をヒットさせ、お姫様カットの歌姫として勢いに乗っていた本年に発売した楽曲。リリース当時は、左利きに対する差別意識がまだ蔓延っていた時代で、自身はこのタイトルで良いかとまどったというエピソードが残っている。しかし、そのとまどいとは裏腹に、自身唯一となるオリコン週間1位獲得曲となり、前述した『芽ばえ』の売上を上回り、自身最大のヒット曲となった。また、本曲の大ヒットによって、左利き用品が多数販売されるようになり、左利きが市民権を得たきっかけの曲と言われている。

17位　浅田美代子『赤い風船』

　アグネス・チャン、麻丘めぐみとともに「3A」と呼ばれ、現在も数々の映画やドラマに出演する自身の代表曲。1965年から25年に渡り放送されていた森光子が主演を担当しており自身の出世作ともなったドラマ『時間ですよ』の劇中で使用され大ヒットした。オリコン週間チャートでは初登場2位を記録し、近藤真彦『スニーカーぶる～す』がデビュー曲初登場1位を記録するまで、デビュー曲初登場順位の最高記録を保持していた。なお、歌唱力はいま一歩だったと評価されることが多く、歴代のヒット曲を振り返る音楽番組でも揶揄されるほどである。(本当に言えないくらい下手な人(80年代のあの人とか)は揶揄できないので、いじられる分だけマシかもしれないが)

28位　あのねのね『赤とんぼの唄』

　笑福亭鶴瓶もメンバーだったことがある他、清水国明がメンバーとして参加しているあのねのねが発売した楽曲。メジャーデビュー曲にして、自身最大のヒット曲となった。一方で、彼らは度々、日本民間放送連盟の要注意歌謡曲指定制度の審査を受けており、同曲も指定はされなかったものの、審査対象にはなっていた。レコード会社は審査対象になったこと自体を問題視して、ジャケットに歌詞を掲載しない形で本曲が発売された。なお、次作に収録した楽曲はしっかり(?)要注意歌謡曲の指定を受けている。ちなみに、このエピソードから分かりきっていることだが、童謡の『赤とんぼ』とは全く関係がない。

34位　金井克子『他人の関係』

　デビューして10年以上、紅白出場はしていたものの、ヒットには恵まれていなかった自身が、次で最後の曲にしようと決めて歌唱した楽曲。発売の際にスタッフ陣は、本曲の歌詞にそのまま感情をのせると生々しくなるので、感情を排して歌わせる作戦を思いついた。これが見事にはまり、ヒットを呼び寄せた。オリコン週間チャートは7位止まりだったが、同年の年間売上31位にランクインし、本ランキングでも34位となった。後年には、一青窈がSOIL&”PIMP”SESSIONSとコラボした本曲のカバーが、上戸彩が主演した最高視聴率16.7%のフジ木曜劇場『昼顔』の主題歌に使用された。

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